食べ物を扱う飲食店は、虫やねずみの問題は必ず付いて回ります。HACCP導入と同時に防虫・防鼠対策を見直すことが大切です。
ここでは、福岡のHACCPコンサルタント・行政書士が飲食店の防虫・防鼠対策のポイントについて分かりやすく解説します。
飲食店の虫・ねずみが発生しやすい場所
飲食店の虫やねずみが発生しやすい場所は決まっています。
飲食店の防虫・防鼠対策が必要な場所は「①出入口」「②施設内の穴や隙間」「③排水溝」「④網戸の穴」「⑤観葉植物」「⑥出入口付近の生ゴミ」などです。
「①出入口」を常に開放することはやめましょう。厨房からの匂いによって虫やねずみが侵入します。「出入口」の開閉に注意しましょう。
「②施設内の穴や隙間」から虫やねずみが侵入します。壁やエアコンの隙間を端材などでふさぎましょう。
「③排水溝」から虫やねずみが侵入します。金網などでふさぎましょう。
「④網戸の穴」が小さくてもねずみがかじって侵入します。「網戸の穴」は直ぐに修理しましょう。
「⑤観葉植物」の設置は、虫が集まります。「観葉植物」の管理が出来ないならば、設置しないことが必要です。
「⑥出入口付近の生ゴミ」は、生ゴミの匂いによって虫が集まります。生ゴミはふた付きのゴミ箱を使い、出入口付近に廃棄物を保管しないようにしましょう。
コバエ・ハエの特徴と対策
「コバエ」は、排水溝や生ゴミなどがある場所に集まります。グリストラップや排水溝に産卵します。
「コバエ」対策は「①グリストラップや排水溝の清掃」「②生ごみや水回りの清掃」「③粘着式捕虫器の使用」「④厨房・生ごみ置き場の清掃」です。
「ハエ」は、食べ物のほか、生ごみ、排水などの発酵臭や腐敗臭に集まります。
「ハエ」対策は「①ごみの廃棄」「②食材をラップで包む」「③ふた付きごみ箱の使用」「④出入口の扉を閉める」「⑤粘着式捕虫器の使用」「⑥厨房・生ごみ置き場の清掃」です。
ゴキブリの特徴と対策
「ゴキブリ」は、30℃を超えると動きが活発になります。飲食店の冷蔵庫・冷凍庫のコンプレッサー付近や分電盤などが巣になってしまいます。
「ゴキブリ」対策は「①厨房の生ごみや汚れの片付け」「②コンロ下や高温箇所の清掃」「③窓や扉を直ぐに閉めること」です。
「チャバネゴキブリ」は、外来種で飛ぶことはできません。ビールの匂いが好きでダンボールの隙間に隠れます。
「チャバネゴキブリ」対策は「①ビールの空き瓶の洗浄」「②シンクの排水管の洗浄・消毒」「③古新聞や古雑誌をためないこと」「④窓枠下の清掃」です。
ねずみの特徴と対策
「ねずみ」は壁際や物陰に沿って行動するため、ねずみの毛や汚れが残ります。食中毒菌を含む糞や尿をまき散らし、電気配線をかじる被害もあります。
「ねずみ」対策は「①厨房に生ごみを残さないこと」「②ふた付きのゴミ箱を使うこと」「③夜間に食品を放置しないこと」「④食品衛生5Sの実施」「⑤穴や隙間を防ぐこと」です。
コナダニ・シバンムシの特徴と対策
「コナダニ」「シバンムシ」は食材中で増殖します。気が付いたときには酷い状況になっていますので、対策が必要です。
「コナダニ」は、高温で湿気のある場所を好みます。カビ、小麦粉、調味料などが餌になります。
「コナダニ」対策は、常温に粉物を置かないことです。粉物を開封したら、タッパーなどに入れ冷蔵庫に保管します。「コナダニ」が発生した場合は、発生した食材を2重のビニールに入れて店外に廃棄します。
「シバンムシ」は、照明に集まって、乾燥した食品や香辛料を好みます。かじる力がつよいため、包装材を破ります。
「シバンムシ」対策は、食材を高い密封度で硬い容器に保管します。粉物をこぼしたら、速やかに拭き取りましょう。
飲食店が自分でできる防虫・防鼠対策
飲食店の「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」に防虫・防鼠対策を盛り込むことは大切です。
飲食店の虫やねずみの被害が大きい場合は、防虫・防鼠の業者に依頼します。
しかし、虫やねずみの性質を理解し薬剤の使用に注意すれば、自分で対策を立てることが可能です。
飲食店が自分でできる防虫・防鼠対策について確認します。
捕獲の仕掛け
「捕獲の仕掛け」は、「粘着式捕虫器」「粘着シート」「食べ物を入れた捕獲かご」などがあります。
「粘着式捕虫器」は、誘虫灯で虫を集めて粘着式トラップで捕獲します。夜間も点灯していることが必要です。
「粘着シート」は、好きな匂い虫を集め、粘着シートで捕獲します。粘着シートの場所は定期的に変えることが必要です。
「食べ物を入れた捕獲かご」は、ねずみの好きな食べ物をかごに入れて捕獲します。
ねずみを捕獲後に殺傷する必要があり、ねずみの学習で同じ仕掛けに引っかからなくなります。
毒えさの仕掛け
「毒えさの仕掛け」は、虫とねずみタイプがあります。毒えさで捉えた後に死骸を適切に処理することが必要です。
超音波によるねずみを寄せ付けない機器も販売されています。
スプレー型の殺虫剤
「スプレー型の殺虫剤」は、薬剤を散布するので調理中の使用は厳禁です。スプレー散布後に洗浄をセットで考えることが必要です。
煙型の殺虫剤
飲食店で「煙型の殺虫剤」を使う場合は、食材や食器類に薬剤が残留するので、食材や食器類を撤去することが重要です。
薬剤使用の後の洗浄作業に自信がない場合は「煙型の殺虫剤」の使用はすすめられません。
飲食店HACCPと防虫・防鼠対策
飲食店の「HACCPの考えた方を取り入れた衛生管理」に防虫・防鼠対策を盛り込むことは大切です。
防虫・防鼠対策は、自分で行うことと業者に依頼することを分けることが大切です。
HACCPや営業許可について
飲食店の「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」は、重要管理のポイントよりも一般衛生管理のポイントが重要になることは少なくありません。
一般衛生管理のポイントに防虫・防鼠対策を加えることで、飲食店の食品衛生を向上します。
HACCPコンサルタントの行政書士は、飲食店の営業許可や「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を熟知しています。
食品営業許可やHACCPのお問い合わせは、以下からお願いします。お急ぎの場合の電話相談(092-516-7297)