食品衛生5Sの整理・整頓の目途が立ち、「清掃・洗浄・殺菌」を始めたいと考える食品事業者のためのチェックシートを作成しました。
ここでは、福岡のHACCPコンサルタント・行政書士が「食品衛生5S 清掃・洗浄・殺菌の実践のポイント」について分かりやすく解説します。
食品衛生5Sの清掃・洗浄・殺菌について

食品衛生5Sの整理・整頓の実践が進んだら「清掃」を行います。食品衛生5Sの「清掃」には「洗浄」「殺菌」を含みます。
食品製造所では、水を使わない「清掃」だけでは「清潔」にはなりません。水を使い食物残渣まで除去する「洗浄」と洗浄剤を使い微生物レベルの「清潔」にする「殺菌」があります。
食品衛生5Sの「清掃」「洗浄」「殺菌」の考え方に従えば、食品製造所の「床面」「壁面」「排水溝」等を微生物レベルの清潔を達成できます。
食品事業所の「床面」「壁面」「排水溝」の「清掃」「洗浄」「殺菌」のポイントについて、以下に説明します。
食品製造所の「床面」の「清掃」「洗浄」「殺菌」

「床面」の「清掃」
手順1 床が汚れる原因を取り除き、汚染を最小化する
床の汚れが少なければ、清掃は楽です。食品製造所を観察し、床の汚れの原因(製造ライン、従業員、持ち込んだ搬入物)を調べます。
手順2 汚れの状況に合わせてスケジュールを作成する
発生した汚れを除去するために問題発生の程度や頻度を考え、「清掃」のスケジュールを作成、実践します。
手順3再汚染防止のための工夫をする
再汚染を防止するために以下のことを検討します。
- 原材料や機械・器具を移動させる
- 汚れのひどい場所から一定方向に清掃する
- 水溜りや水切れの悪い場所をなくす
- 集めた汚れは確実に廃棄する
- 掃除道具は識別保管と洗浄する
「床面」の「洗浄」「殺菌」
「床面」の「洗浄」「殺菌」は、「清潔区域」「準清潔区域」「汚染区域」ではレベルが異なります。
「高圧洗浄」「ブラッシング洗浄」が基本だが、泡やジェルを利用するフォームミング洗浄も普及しています。
「床面」の「洗浄」は「清潔区域」「準清潔区域」よりも「汚染区域」を重視することが少なくありません。
「汚染区域」のほうがひどく汚れ、洗浄レベルを下げると食中毒菌や害虫等が発生し、二次汚染に発展する可能性があるからです。
「床面」の「洗浄」は、設備・器具等の配置計画とも関係が深く、設備・器具等の影などで洗浄しきれない部分に注意をしましょう。
食品製造所の「壁面」の「清掃」「洗浄」「殺菌」

「壁面」の「清掃」「洗浄」「殺菌」
「壁面」の「清掃」「洗浄」「殺菌」は、「壁面」に付随する構造物まで対象にして考えます。以下まで「壁面」の清掃の対象と考えましょう。
- 壁
- 窓や窓枠
- ドア・ドアノブ
- 壁に設置する構造部や附属物
- 分電盤や消火栓
- 配線コードや配管
「壁面」は垂直であるために水分や洗浄剤も固着しない。「壁面」の「清掃」「洗浄」「殺菌」は、大量の水を使用する清掃方法は効率的ではない。汚れが酷い場合は、研磨剤を含む洗浄剤を利用すれば固着部分は容易に落とせます。
「壁面」の「清掃」「洗浄」「殺菌」はブラッシング洗浄やフォーミング洗浄が中心ですが、食品の性質や汚れの具合によっては、アルカリ系洗浄剤を使用する場合があります。
食品製造所の「排水溝」の「清掃」「洗浄」「殺菌」

「排水溝」は汚れから有害生物や悪臭を発生させるために食品製造所の一般衛生管理のポイントの1つです。
高圧洗浄機による「清掃」「洗浄」が一般的ですが、水の飛散による微生物の発生には注意が必要です。
床や壁の「清掃」「洗浄」と関係が深いため、「排水溝」の「清掃」「洗浄」の順番を考えましょう。
「排水溝」の「清掃」「洗浄」「殺菌」の実践ポイント
「排水溝」の「清掃」「洗浄」対象の明確化
「排水溝」は「底面・側面」だけでなく「上蓋」「グレーチンの裏・隙間」「ゴミ受け・トラップ」等も清掃・洗浄の対象です。「排水溝」の各部分まで意識して管理することが大切です。
「排水溝」の「清掃」「洗浄」の効率化
「排水溝」の軽量化は、次の事項を検討します。
- 「排水溝」に流れる食品残渣を減らせば「排水溝」の汚れを減らせます。
- トラップをディスポ―サルタイプの網目トラップを使用します。
- 上蓋やグレーチンは、硬質プラスチックで軽量化します。
「排水溝」の「清掃」「洗浄」頻度
「排水溝」清掃・洗浄の実施基準は、残渣が溜まってないことを目安にします。
「排水溝」は機械や床・壁の汚れとも連携しているため、連携して実施頻度を決めます。しかし、昆虫等の発生から考えるならば、1週間に1回は実施します。
食品衛生5SとHACCPのご相談
食品製造所や飲食店の食品衛生は、ポイントを抑えることが大切です。HACCPの前提の一般衛生管理を強化するには、食品衛生5Sは必須です。
食品衛生5Sは手順書を作成し、マネジメントとして捉えます。HACCP計画や一般衛生管理計画は、食品事業所ごとに作成が必要です。
プラウト行政書士事務所の行政書士はHACCPコンサルタントでもあり、食品衛生5SからHACCPまで対応できます。
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