飲食店HACCPと食品衛生5Sの関係について
飲食店HACCPを導入する前提に食品衛生5Sがあります。飲食店HACCPは重要管理点を食中毒細菌に絞っているため、食品衛生5Sによる一般衛生管理が大切だからです。
ここでは、福岡のHACCPコンサルタント・行政書士が飲食店HACCPと食品衛生5Sについて分かりやすく解説します。
食品衛生5Sの実施方法
食品衛生5Sは、一般衛生管理の基礎です。飲食店HACCPを導入してもノロウィルスによる食中毒は防止することはできません。
ノロウィルス対策は、食品衛生5Sを含む一般衛生管理を徹底することが大切です。
食品衛生5Sは「整理」「整頓」「清掃」「習慣化」「清潔」のことです。しかし、食品衛生5Sの本質を理解している飲食店は多くはありません。
はじめに食品衛生5Sの意義について確認します。
整理
食品衛生5Sの「整理」は、現場に不用なものを処分することです。要不要の判断ができない場合は、一定期間保管して要不要を判断します。
現場に不要なものがあれば、ものを探す時間がかかって作業効率が下がります。清掃時に不要なものが邪魔になることで、ゴミやほこりが溜まります。不要なものがあれば、調理過程で異物混入の可能性も高まります。
整頓
食品衛生5Sの「整頓」は「決められた位置」に「決められたもの」を「決められた数」だけ配置し、誰が見ても分かるように表示することです。
「保管するもの」の「保管場所」と「保管方法」を決め、必要なものが直ぐに探せるようにします。
「整頓」を適切に行えば「適切な在庫管理」「作業効率のアップ」「適切な工具管理」ができます。
清掃(洗浄・殺菌)
食品衛生5Sの「清掃」は、調理現場の食品残渣を徹底的に除去することです。「清掃」は、目に見える汚れを「誰が」「いつ」「どのように」除去するかを決めます。「清掃」の手順書を作って清掃記録を取ります。
食品衛生5Sを拡張した食品衛生7Sは「清掃」に加えて「洗浄」「殺菌」を加えます。
「洗浄」によって設備や備品の汚れを取って、次の作業の準備を行います。「洗浄」は汚れの種類で方法を変えますが、次の「殺菌」の準備でもあります。
「殺菌」は、食中毒菌による汚染を防止することです。殺菌方法は「加熱によるもの」「塩素系殺菌剤によるもの」「エタノールによるもの」があります。殺菌方法は、食の安全とコストを考えて組み合わせます。
「洗浄」「殺菌」も「清掃」と同様に手順書を作って記録を取りましょう。
習慣化
食品衛生5Sの「習慣化」は、決められたルールや規則を守ることです。ルールを守れない状態は「①ルールを知っているのに守らない場合」「②ルールを知っているが守りにくい場合」「③ルールを知らない場合」があります。
「①ルールを知っているのに守らない場合」は、ルールを守らない場合に起こる不具合について説明します。
「②ルールを知っているが守りにくい場合」は、ルールの内容を見直し、守れるルールに改善します。
「③ルールを知らない場合」は、ルールを納得するまで教え、周知させることが大切です。
清潔
食品衛生5Sの「清潔」は、微生物レベルの清潔のことです。微生物レベルの「清潔」が保たれれば、食中毒は防止できます。
食品衛生5Sによる一般衛生管理の徹底
食品衛生5Sは「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」のベースです。特に食品衛生5Sを実施することで一般衛生管理は強化されます。
飲食店のノロウィルスによる食中毒はHACCPの重要管理点を管理するだけでは防止できず、一般衛生管理を徹底することが予防につながります。
食品衛生5Sの手順書を作り、事業所の一般衛生管理のレベルアップを図ることが大切です。
HACCPや営業許可について
飲食店HACCPは「原材料」「メニュー」「調理工程」を変えたときに見直すことが必要です
飲食店の営業許可更新に「衛生管理計画書」と「記録」を保健所から調査されます。飲食店はHACCPを適切に実施することが必要です。
HACCPコンサルタントの行政書士は、飲食店HACCPの相談から営業許可更新まで対応できます。
食品営業許可やHACCPのお問い合わせは、以下からお願いします。お急ぎの場合の電話相談(092-516-7297)